ブルーモンスター
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼の生涯にスペクトルがあるとすれば、彼の生涯がほとんど怪奇その
ものだったように、それはまさしく、怪奇だった。光のスペクトルが、
赤外線から紫外線に
亙るように、それは、絶望の夜の思考である、ウル
トラブラックから、神が山の上から見おろすように、彼が他人の心、思
考や知識を見おろす、ハイテンションの目覚めや輝きである、インフラ
ホワイトに
亙っていた。しかしその間には、なにかがあって、ブラック
とホワイトの間に、グレーがあるように、単純に接することを拒む、赤
の帯域があった。赤は、激しい
怒りだった。彼の意識が、赤の帯域に差
し掛かると、殺人鬼となり、非常に危険だった。彼はすでに、まったく
面識のない、ふたりの男